自分で働けるように習え
他のものに頭を下げるな
そっと落ち着いて暮せ
だが真直ぐに見よ
みんなの言うことをよく聴け
だがするのはお前のよいようにせよ
ゴーリキィ
ゴーリキイが一九一Ξ年から翌年にかけて書いた自伝小説『幼
年時代』のなかで、祖父カシーリンが少年に教えた言葉。新し
い訳では次のようになっている。
おれはもうすぐ死ぬ。つまり−おめえは一人になる、ひとりぽっちに− その時にゃすっかり、てめえの暮らしのかせぎ手になるだ−分かったか?ふむ、よし。自分じしんの働き手になることを習え。そしてほかの者に負けるな! そっと、落ちついて暮らせ。だが−まっすぐによ。みんなのいうことをきけ、だかするときはおめえにとって一番いいようにしろ……
ゴーリキイ(1868〜1936)はロシアの作家。貧困のなかに生い立ち、始終民衆の立場から、その生活を描いた。 |