ふかくして みにくきは
あさくして うつくしきに
しかない
重吉

大正十四年九月に編んだ重吉の詩稿「ひびいてゆこう」の一篇。
「愛のことぱ」の二行。
 愛のことばを言おう/ふかくしてみにくきは/あさくして
 うつくしきにしかない/しだいに深くみちびいていただこ
う/まずひとつの愛のことぱを言いきってみよう
同じ詩稿から。
 人と人とのあいだを/美しくみよう/わたしと人とのあい
 だをうつくしくろよう/疲れてはならない(『ねがい』)
 うつくしいこころがある/恐れなきこころがある/とかす
 力である/そだつるふしぎである(「愛」)
 まことに愛にあふれた家は/のきぱから火をふいてる
 ようだ「愛の家」