もえなければ
かがやかない
重吉


この詩は大正十四年六月に編んだハ木重吉の詩稿「ことぱ」に収められた「断章」の初めの二行、「かがやかなければ/あたりはうつくしくない」と読く。やさしく、つつましく、こころの洗われるような美しい詩を残して早く亡くなりた詩人にはこんな詩もある。
 さて/あかんぼは/なぜにあんあんあんあん
 なくんだろうか//ほんとに/うるせいよ/あんあんあ
 んあん/あんあんあんあん//うるさかないよ
 /うるさかないよ/かみさまをよんでるんだよ/みんなも
 よぴな/あんなにしつっこくよびな
  ハ木重吉(1898〜1927)は詩人。生前に『秋の瞳』、没後自ら編んだ『貧しき信徒』の詩集かある。