善と雖も若し美を離るれば力なし 美は火の如し 然り火なり
奥邃

特異なキリスト者新井奥邃は多くの語録を残している。ほとんどロダンと同じ時代を生きた奥邃には、生命や美にふれた強い言葉が記録されていて、この国の芸術家たちに大きな影響を与えた。

 どんなに善いことでも、もしそれが美しくなければ人を納得させる力を持だない。美というめはあらゆるものを生かす火のようなものだ。いやなくてかなわぬ命、火そのものだ。
こんな言葉もある。
  新井奥邃(1846〜1922)はキリスト教徒として、長くアメリカで信仰と労働の生活を過ごしたあと、晩年は東京巣鴫に私塾謙和舎をつくり、子弟を養った。