毅(つよ)いところのある人だけが
真の優しさを持つことができる
ラ・ロシュフコー
「箴言」はいましめを含む短い句を意味する。一六六四年に世に送られたラ・ロシュフコーの『箴言』は、乱世があらわにした美徳の偽善を痛烈にえぐり、フランス文学に一つの系譜を確立した。
この言葉は次のように続く。
優しそうに見える人は、たいてい弱さしか持たず、その弱さは用意にとげとげしさに変わってしまうのである。
ラ・ロシュフコー(1613〜1680)は貴族の家に生まれ武将としての教育をうけたが、王族、貴族たちの陰謀にまき込まれて敗れ、失意のなかで、数多くの箴言を書き残した。 |